イエスの遺伝子
『イエスの遺伝子』を購入。先日の図子慧に続き「ラザロの復活」をキーワードとする(たぶん)小説。勿論、シンクロニシティなんかではない、単なる偶然。マイクル・クライトンの再来という惹句にひかれた訳ではなく、謝辞を読んで買うことにしたのだが、そういえば『緊急の場合は』も後書きで買ったのだ。いうまでもなく偶然だが。
処女作には作家の全てがあるとかないとか、キャラ萌えする人物設定といい膨らみを感じさせる背景説明といい、エンタテイメントとしての上質さを感じさせる出だし。おそらく『ベストセラーの書き方』にある通りの勘所は押さえてあるに違いない。皮肉ではなく、期待を込めて。
『セイント』を観る。思わぬ佳作。配給会社ももう少し力を入れて良かろうに、あるいはヴァル・キルマーのあくの強い顔にヒットを諦めたか。『ミッション・インポッシブル』同様、昔のファンが観たら一言あるのかもしれないが、小道具に同じメーラを使用したりと仄見える対抗心が裏付ける通り、こちらの方が断然、良い。何より聖者サイモンに対する愛を感じるよな。
Published on: 1998/5/11
Categories: 本