魔大陸の鷹
『帝都最終決戦』という題名に惹かれて購入した『魔大陸の鷹』シリーズをひたすら読む。朝日ソノラマ調冒険活劇。手練れだが、いまひとつ濃さが足りない感じ。直線的に過ぎ、たとえば苦もなく南極に着いてしまうプロットが難。
すぐれた物語はその内において都市を語る。既に骨がらみとなった偏見、こいつは経験則に基づいている。矢作俊彦の所為といってもよいのだが、いずれにせよ取り返しなんかつかない。
してみると所詮、秘境ものとは相容れないんだよな、嗜好として。ぐるぐるとそして粘着質に、ひとところに留まるような物語が好みなのだ。もちろん「ここではないどこか」を熱望しながら。
Published on: 1998/5/27
Categories: 本