単純な場所

sophisticated girl; plain space

踊る大捜査線 THE MOVIE

伊勢崎町まで出かけて、『踊る大捜査線 THE MOVIE』を観る。ビデオまで待つつもりが、悪漢に唆されての所為。今更、何だよねぇと思いつつ、何でこんなに混んでるんだ?正月とはいえ、驚いた。

映画のほうは特定分野の先行作品に対するオマージュを色濃く感じさせつつ、手堅くまとめた印象。だがしかし脚本の出来としては君塚良一の作品中でも決して最上のものではあるまい。特に交錯するプロットの処理は消化不良の感が拭えず、周辺のエピソードにしてからが取って付けたかのようである。

ではあるものの、本作品に投影されたレイアウトの考え方がテレビ画面のみならず、スクリーン上でも有効であることを示した功績は大きい。いうまでもなく、画面の「格好良さ」は端的にセンスの問題であるということを。

邦画の近作では『誘拐』にみられたあの圧倒的な垢抜けなさ、致命的なサスペンスの欠如がこれに学ぶところは多かろうが、学んでも身に付かないのがセンスであるからには、いや全く難儀なことである。

Published on: 1999/1/2

Categories: 映画