単純な場所

sophisticated girl; plain space

GODZILLA

午前中、外出。

人気のない無人駅に降り立ち、田植えを終えたばかりの田圃の畦道を歩く。小川は昨夜の雨を集めて速く、時折、風が渡る。その彼方には中央アルプスが。いやはや、仕事をしに行くのかぁ、本当に。

『GODZILLA』を観る。何であれ、平成ゴジラの50倍はマシであることをまず認めた上で。

ワビとかサビとか、繊細さの欠片くらいあってもよさそうなもんだ。何なんだよ、アメコミそのものの無神経さ、対戦車ヘリを群れで(!)飛ばしやがって。芝での対ギャオス戦、あの物悲しいミサイルの軌跡を描いてみせた『ガメラ 大怪獣空中決戦』の境地には勿論、遠く及ばない。

何しろこっちは先史文明の話をしているんだ。作中、遡ってもせいぜいが30年、歴史ってもんを望んでも得られない成上りがつくれば、怪獣も火は吹くまい。

などと憤慨しつつ、そうはいっても平成ゴジラの50倍は面白いのだから別に言うことなどないのだが、そもそもゴジラの名前を使って一体、何を担保しようとしたのだろう 。ねぇ。

Published on: 1999/5/19

Categories: 映画