単純な場所

sophisticated girl; plain space

スピーシーズ2

配偶者体調不良にて休業。

『ユリイカ』を購入。「俺に言わせりゃ」が座右の銘であるとはいえ勿論、詩と批評を購読するような人間ではない。前に買ったのが押井守に関する評論が載っていたときだから、まぁ、そういうことである。今回はミステリ特集。

『バトル・ロワイヤル』の高見宏春が「僕のセンスは矢作(俊彦)さんで作られている部分がありますから」とか菊池秀行の初期作品『インベーダー・サマー』にシンパシーを感じるとか発言しているインタビューが載っていて、だとすれば精神的な兄弟である彼の作品を、その評判にも関わらず未読である己が不明を恥じる。

『ハサミ男』殊能将之のインタビューも傑作で、これはインタビュアが終始、無能であることによって多くを語らせることに成功している希有な例。その無能はおくとして、序盤、独り善がりな解釈を開陳し、あろうことかさして必要があるとも思えぬのに『ハサミ男』のネタ割りをした挙げ句、鼻面を叩かれるや無知を押し出して媚びるが如き開き直りの進行。「私、バカなので」をエクスキューズとする唾棄すべき精神的態度が気に喰わぬ、何者だ、このインタビュアはとみると、小谷真理。この人のテキストをさして読んだ経験がないにもかかわらず、悉く不快であるというのも不思議で、これは何かの戦略なのかと勘ぐったほどだが無論、そんなはずはない。鼻につく人間というのは、ごく稀にせよ、いるものである。

『スピーシーズ2』を観る。あくまでエロ、とことんグロでB級映画の王道を突き進むが如き作品だが、品のなさはどうしようもない。いやはや。

Published on: 1999/11/30

Categories: 映画