単純な場所

sophisticated girl; plain space

quarter mo@n クォータームーン

休みをとって休養。『quarter mo@n クォータームーン』を読む。『レフトハンド』から心待ちにしていた中井拓志の新刊で、何が好きかといえば言葉の繰り方である。ひねた感性の持ち主に相違ないと予感させる文章のセンス、いずれにせよタダ者ではあるまい。タダ者でなければ何だと聞かれると困るんだけど。

大森望氏が『ケイゾク』ファンにはとくにおすすめと述べているのに言い得て妙と深く頷く一方で、ネットワークの描写に難があるという点については首を傾げざるを得ず。「クローズドなシステム」として描かれているわけではついぞなく、読み飛ばしているだけではないのかという疑念あり。

で、暇を持て余しついでにテレビなんぞをみていると、民放各局は16時を過ぎたあたりからさる方面の家族計画に関する特番を組んでいて、いや昭和は遠くなりにけりとの感強し。それがどうであれ、間違いなく何の関心もないにせよ、個人の尿検査という最低のプライバシーがかくも詳細に報道されるのに一体、どんな題目が必要なのだろうという興味は尽きない。

Published on: 1999/12/13

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