ゼウス
『ゼウス』を読む。読みながらテレビの『ザ・グリード』をつけていたりして、特定方面に傾斜している己が嗜好の危うさを今さらながら認識したり。
認識しつつも、古くは小松左京、西村寿行に遡る絶滅小説の正系として、近くは『ガメラ2』のモチーフを連想させつつ、大石英司らしい外連で仕上げてあるものだから、読み終えるのが惜しいと思いつつも一気に読了。この2倍の枚数はあってもいい、いやあるべきだ。あって欲しいな、続編を希望と、のたうつものの、配偶者に言わせれば悪趣味の一言で切って捨てられるだろう、まぁ、そういう小説ではある。いや、物語らしい結末を設定してあるとはいえ、どうやら本当に枚数が足りないものだから、続編が出る可能性は高い。いつかは。
作中、非外交ルートで武器の調達云々という挿話があって、透かさず『気分はもう戦争』を想起した自分も自分だが、こういうサイドストーリーをふくらませるのも面白いかも知れず。いや、本流の物語が語られない絶滅小説をこそ書かれるべきだと、夢は野山を駆け巡る。
Published on: 2000/3/5
Categories: 本