金融腐食列島 呪縛
『金融腐食列島 呪縛』を観る。評判が高かったのも判る。それこそ事実に基づくとはいえ、物語の起伏を知る脚本が俳優のオーバーアクトをそれほど不自然にみせない。とはいえ、奇妙にリアルでありながら、浮き世離れしている部分もあって、ブルームバーグが架空の会社のようにみえてしまうのは如何なものか? リアルというのも立上るミドルというモチーフがそうだというのでは勿論なく、例えば特捜部の家宅捜索で手帳を押収されるとか。当時、銀行の担当者はアポの再確認を求めつつ、何しろスケジュール表を押収されてしまったのでといったものだが、それやこれやを最早、懐かしく思い出す。一方で街宣車が出てこないとか、高杉良が演説を始めちゃったりとか、言いたいことがないわけではないが、言わなきゃならんというほどではないという意味で佳作。
Published on: 2000/7/8
Categories: 映画