女優霊
『女優霊』を観て、変な汗をかく。作中作というシチュエーションは好きだし、後続の映画に与えた影響は大なりと認めつつ、いや、『リング』を撮ったのがそもそも中田秀夫なんだから、己がモチーフの再生産に過ぎないではないか。それにつけても主演が柳ユーレイとは、何かの冗談かと思いもしたが、しかしこれが結構、良いのだから世の中は油断できない。とはいえ、女社長登場のシークエンスとか二、三のきらめきを省けば、脚本の出来自体は誉められたものではない。祟るにも理由があるとの言葉どおり、それを説明しないのでは物語的なカタルシスは望めない。
Published on: 2000/8/20
Categories: 映画