海の上のピアニスト
休出。
今朝、たまたま耳にしたラジオで、一年の折り返しという話をしていて、なるほど暦年の上期も終了かと沈む。何しろ一年の折り返しは日付で分かるというものだが、この人生もいつの間にか半分を過ぎようというのに、知れず、なお日々を費消するばかりである。
某所で話題となっている『海の上のピアニスト』は、むしろ「行かない」という意思の物語として観るべきだろう。そもそも、いい物語があり、それを語る人がいる限り、人生は捨てたものではないというセリフにある通り、原題に伝説と冠すこの物語はただそこにあり、そもそもいい物語である以上、我々に許されるのは寓意を酌むことだけなのであるから、狡いといえば狡い。
かつて自らの強固な意志により多摩川を越えず、千葉・埼玉を憎悪した人たちがいたが、ティム・ロスの狷介な笑顔でそれを思い出したものである。
Published on: 2001/6/30
Categories: 映画