プライベート・ライアン
『プライベート・ライアン』を再び観る。狙撃手を演じているバリー・ペッパーを再確認したいと思ったのだが、トム・サイズモアと並び、まさに適役、キャスティングの妙というものである。
ほぼ想像の余地を残さない残虐シーンに食傷したのは同じだが、何しろ数千の人々が命を失う瞬間を、繰り返しテレビでみる破目になる時勢である。崩落するビルを目の当たりにしてなお中にいた人々のことを考えることの出来ない想像力に対しては、これが戦争だとばかり、刺激を突きつけるスピルバーグの遣り口もあるいは意図あってのことかと思い直す。我々のこうした鈍感さが、ついにミサイルの巻き添えとなる民のことを想像し得ないとすれば、大スピルバーグの嘲笑をすら聴く気がするのである。
Published on: 2001/9/16
Categories: 映画