マイノリティ・リポート
『マイノリティ・リポート』を観る。物語の前半は、ほぼ無意味としか思えぬシステムが機能している社会の念入りな描写に疲れ、後半はそれが破綻していることが気にかかるという、筋のよくない虚構である。PKD的な筋書きを生真面目に映像化しようとすればおそらくはこうなるのだが、無矛盾であるが故に不完全である式のすわりの悪さはどうにもならない。そもそも未来を決めるのは自分であるなどと、あまりにもまっとうな主題に終始するなら、何だってPKDを原作としなければならなかったのか。
Published on: 2004/3/1
Categories: 映画