オペレッタ狸御殿
『オペレッタ狸御殿』を観る。鈴木清順である。前頭葉のあたりのシナプスがちょいとばかり特異な繋がり方をしているに違いなく、優れた色彩感覚であり、はっとするようなカットが随所にある。八十路を越えて、余人の会得の難しいこのようなイメージを画面に定着せしめたそのパワーをこそ凄まじいというべきだろう。オペレッタと称するだけあって音楽も気合いが入っている。とはいえ、鈴木清順のフィルムが常にそうであるように、初心者向けの映画ではあり得ず、オダギリジョー目当ての観客は度肝を抜かれるに違いない。極楽蛙がけろりーんと鳴くのである。
Published on: 2005/11/15
Categories: 映画