グエムル -漢江の怪物-
『グエムル -漢江の怪物-』を観る。本邦の『パトレイバー』に廃棄物13号というエピソードがあって、怪物の外見やら設定は同じようなものなのだが、あれが特車2課の造形に注力していたのと同様、娘を攫われたパク一家と状況がストーリーの中心であってテーマそのものはだいぶ異なる。不善を為すのは概ね米軍と官僚化した政府であり、コミックパートの出来もなかなかのものなのだが、しまいには過酷な動機設定と復讐が用意されており、精神的な支柱のようなものはしっかりと韓国映画なのである。『殺人の追憶』がそうであったようにポン・ジュノの雨のシーンは秀逸だし、腹を空かせた娘の救出という情への訴え方もよく練られた脚本だと思うのだが、難を言えば時間の経過が判りにくいあたりか。『リンダリンダリンダ』のペ・ドゥナがあの映画と同じようなジャージ姿の不思議キャラで活躍していてウケる。
Published on: 2007/1/29
Categories: 映画