単純な場所

sophisticated girl; plain space

トゥモロー・ワールド

『トゥモロー・ワールド』を観る。しかし酷い邦題だね。アルフォンソ・キュアロンという監督にはイマイチ印象がなかったのだが、冒頭の長回しから尋常じゃない緊張感が立ち上がって、そのまま結末まで。撮り直しに苦労しそうな長尺撮影を果敢にも多用した画面には紛れもない作家性が感じられ、陰鬱なキャスティングも甘いところのないストーリー展開も手伝って、全編に映画的な予感と感動が満ちている。実際のところピンポン玉を使った小ネタに始まるカーアクションのシークエンスだけでもご飯三杯はいけるし、役者も頑張っている。ジョン・レノンみたいなマイケル・ケインがいい。近未来終末世界ものとしては屈指であり、傑作というべきであろう。

Published on: 2007/3/26

Categories: 映画