単純な場所

sophisticated girl; plain space

隠された記憶

『隠された記憶』を観る。ミヒャエル・ハネケの手になるフランス映画で、形而上の解釈を観客に任せたタイプの話なので、ミステリ仕立ての展開ではあるものの、もとよりハリウッド風のカタルシスなど望むべくもない。しかしながらテーマは歴史的贖罪を中核に据えて明確であり、ビデオを送ったのは誰かという中心的な謎は、その文脈において、ミヒャエル・ハネケその人であるという回答を得ることになる。アルジェ独立にかかわる歴史認識に立脚しているとはいえ、その問題意識は普遍性の高いものであり、今日の日本における議論と構造を同じくしている。

Published on: 2007/4/15

Categories: 映画