時をかける少女(2006)
『時をかける少女』を観る。2006年のアニメ版。原田知世版で育った世代としてはまさに隔世の感があるというわけだが、本家の芳山和子も主人公の伯母役で登場するといういわば後日談であり、いつか現れると約束した深町一夫が20年後にも不在のままであるらしいと知って何やら寂しくなってしまう。ストーリーもまたオリジナルとは全く異なったものであり、蝉の声やら野球やらの記号がむしろ『サマータイムマシン・ブルース』を想起させる今風の物語となっている。タイム・リープものとしては、いわばよくある展開であり、17歳の主人公が学校に遅刻しそうになって云々というある種のコードも多用され、際立ったオリジナリティはないながら、手際よく小奇麗にまとまっており、アクの強くないキャラクタの表情も豊かであって、郷愁を誘う背景美術とあわせ、良く出来た小品という佇まいでなかなかに悪くない。
Published on: 2007/4/30
Categories: 映画