ブラック・ダリア
『ブラック・ダリア』を観る。『アンタッチャブル』のブライアン・デ・パルマだけあって時代の気配はよく出てるし、クライマックスの劇場タッチの演出は怖気立つくらい迫力がある。マデリン役のヒラリー・スワンクは途中までそうと気付かないほど変貌しており、これにも驚いたのだが、120分そこそこの尺に収めるにはやはり相当、無理があるということだろう、刑事たちがブラック・ダリアに憑かれていく感じはちっともないので細かいところが不自然に見え、何となく置き去りにされてしまう。ジョシュ・ハートネットもアーロン・エッカートも雰囲気があるだけにもったいない。カメラは時折、一人称になったりするのだが、技巧に走りがちなところもデ・パルマ節とはいえ、感銘を受けるより前に微笑んでしまう。
Published on: 2007/5/12
Categories: 映画