あるいは裏切りという名の犬
『あるいは裏切りという名の犬』を観る。フレンチノワールは思えばコンスタントに高い水準のフィルムを生産していて、ちょっと前の『ブルー・レクイエム』もよかったが、これも傑作。甘いところの少ない物語だが最後まで続くテンションは立派なもので、おじさんたちの情念の世界がきっちりとした濃度と純度で描かれている。ティティ役のフランシス・ルノーとか、脇役の個性もいい。2004年の映画だが、このタイミングでのDVD化はロバート・デ・ニーロ主演でのリメイクを受けてのこととみえ、であれば本邦の審美眼というのはハリウッドに追従するということなのか。
Published on: 2007/7/2
Categories: 映画