単純な場所

sophisticated girl; plain space

ボビー

『ボビー』を観る。アンバサダーホテルを舞台としたグランドホテル形式の物語で、ロバート・ケネディの暗殺を題材にしつつ、しかしボビーが象徴する政治的高貴の不在を描いてブレない。劇中、ロバート・F・ケネディは当時のフィルムの中にのみ存在して、まぼろしのようであり、人々はそれぞれの人生をかかえてアンバサダーホテルに留まるのである。ボビーを待ちながら。監督・脚本で出演もこなしているエミリオ・エステヴェスは不景気な顔に似合わず結構、いろんなことを考えているみたい。なんとなく散漫になりがちな作りとはいえ、通してみれば言いたいことのよく判る映画である。往時のホテルを再現した美術も優秀。

Published on: 2007/8/12

Categories: 映画