叫
『叫』を観る。画面の中では水平の取れそうな線がいつも微妙に傾いでいる。静止できるはずのカメラが微動している。『LOFT』の安達祐実に続き葉月里緒菜が素なのに怖くて何だか本人に見えないという役柄で出ていたり、怪しいコンクリートの建物があったり、どこか旧作を想起させるつくりだが、印象としてはより洗練されたもので悪くない。どこかタガの外れてしまったリアルが演じられるのを観ているうち、この監督がこうした題材を好む理由が何となく判った気がしたものである。
Published on: 2007/8/22
Categories: 映画