バンク・ジョブ
『バンク・ジョブ』を観る。英国的スキャンダルを題材にイギリス的小悪党を主人公に据え、これにD通告とかMI-5とか、ちょっとスケールの大きな要素まで放り込んで、いつもの英国フィルムノワール調ともちょっと違う映画に仕立ててある。実話をベースにしているという触れ込みだが、そもそも報道規制が敷かれた事件であるからには、想像力に負っている部分が大きいであろう。話としてはなかなか面白くできている。肝心の金庫破りについては、偶然に助けられ、みんなで仮眠してみたりと、やけにのんびりとした様子で納得がいかないのだが、まぁ、事実は小説より奇なり。MI-5も特に優秀というわけではなく、しかし陰謀の編み目を行き来してそれなりに結果をつくるというあたりに妙なリアリティがある。
Published on: 2009/4/1
Categories: 映画