単純な場所

sophisticated girl; plain space

パコと魔法の絵本

『パコと魔法の絵本』を観る。中島哲也の監督作品ということで、ずっと気にはなっていたのだが、タイトルやパッケージからはファンタジーとしての色彩が濃いであろうことが容易に察せられ、これまで遠ざかっていたのである。想像に違わず『下妻』や『嫌われ松子』とはだいぶ毛色が異なる。『下妻物語』を観るとき、我々は現実の合間に照射されたファンタジーを楽しむのだが、もとよりファンタジーであれば、その隙間に顔を出す現実を目視することになるわけで、ことは180度異なる。嗜好でいえば前者であり、したがってどちらかといえば過去作が好みということになるのだが、本作の視覚効果も例によって凝りに凝ったもので、役者の面子も毎度、同じといえばそれまでだが、キャラは立っており、映画としての水準は本邦でひときわ高いものであって十分、楽しめる。

Published on: 2010/1/9

Categories: 映画