ゾンビランド
『ゾンビランド』を観る。『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグを狂言回しとして、ウディ・ハレルソンが大暴れするゾンビ映画、というだけでわくわくしてしまう。ヒロインはリンジー・ローハン似のエマ・ストーン、その妹でアビゲイル・ブレスリン。主要な登場人物はこの四人だけだが、ビル・マーレイが本人の役で出演していたり、クレジットなしでいろんな俳優が出ていたりでかなり楽しい。ゾンビを題材にしてはいるのだけれど、サバイバル状況下における青春映画であり、コメディであって、しかしゾンビ自体は真面目に描くことできちんと面白みを成立させている。小説ではよりシリアスな前例として『WORLD WAR Z』という傑作があるけれど、ゾンビ世界観をメタレベルで楽しむというのは高尚な趣味であって、この映画もなかなか面白い。
マニアからすれば多少、気にかかるのはゾンビが走ることであり、ロメロ師匠があれほど駄目だと言っていることを考えればいかがなものかと思わざるを得ないのだが、疫病の設定はどちらかというと『28日後…』に近いと思われ、それなりの一貫性はあるようだ。そもそも生存のためのルールのひとつ目が走ることである以上、このあたりは確信犯的なものであり、時流といえば時流であって残念ではあるが致し方なし。
Published on: 2011/2/4
Categories: 映画