それでも夜は明ける
『それでも夜は明ける』を観る。19世紀、ワシントンで誘拐され南部に送られたいわゆる自由黒人の伝記をもとにしたドラマで、スティーヴ・マックィーンが監督だけれど同名の別人。アカデミーの作品賞はとったが監督賞がとれなかったのは、監督が黒人だからともいわれたようだけれど、この題材でそんな話になっているのだから闇は深い。
ベネディクト・カンバーバッチやポール・ダノが南部の白人の役で出演しているけれど、製作でありながら出演もしているブラッド・ピットの役回りがこれよりもだいぶリベラルであるあたりが話をややこしくしている。
映画としては印象的なシーンが多く、よく設計されており、かなり見応えがある。役者の仕事も一流のもので、画面の外の構造にかかわる議論は別として、映画としては無論よく出来たものである。
Published on: 2015/3/14
Categories: 映画