戦時から目覚めよ

スラヴォイ・ジジェクの『戦時から目覚めよ』を読んでいる。自身が強迫神経症気味というジジェクの弁舌と振る舞いは、ある意味でYouTube向きの素材であり、こちらも彼のインタビューの動画を見るところから入った新参なのだけれど、穏健保守派のコミュニストを自称しながら、クソはクソだという全く穏健でない文章は、惨事を無制限に先延ばしにしたとしても、対策を講じなければあらかじめ想定された惨事に引き寄せられてしまうという危機感によって駆動される。ストレートな問いは各自に行動を求めるためのもので、最悪の状況において実は前向きなメッセージを伝えるものといえる。

基本的には、第三次世界大戦はすでに始まっているのだ。この事実を認めるのが早ければ早いほど、それが全面戦争へと発展するのを阻止できるチャンスが高まる

この日、トランプはFBIの解体を主張してきたカシュ・パテルをFBI長官に指名する意図を明らかにする。極端な人事案はショックドクトリンの変形で、そのままの承認が得られるとも限らないけれど、無政府資本主義はその極端な面を早くも明らかにしていて、この過酷な変化は不安を醸成し、保安と軍事における過剰な強化を導くことになる。その権威主義的な動きこそファシズムと呼ばれるもので、ジジェクが述べてる通りのことが起きているのである。

Published on: 2024/12/1

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