戒厳令
この日、こちらが寝ている間に、韓国ではユン大統領により戒厳令が布告され、国会の反対を踏まえて閣議でこれが解除される騒動が起きる。選挙以降、少数与党の状態から膠着した政治状況を打破しようという目論見は、国会議員の過半数が賛成した場合には戒厳を解除しなければならないという定めによって阻止される。国会封鎖に対抗するために市民が集まり、展開された軍隊もこれを実力で排除しようという動きにならなかったことに助けられて事態は平和裡に収束したもので、茶番のように見えて、実際には僥倖に近い結果だったのではないか。権力によるクーデーターともいえるこの顛末によって、大統領は法的な責任さえ問われることになるだろう。
もちろん、これは粗忽者がしでかした茶番などではない。民主国家が一夜にして崩壊し専制に移行する例は枚挙に遑なく、本邦で自民党の憲法改正と緊急事態条項が狙っているのは、この事態を制度化することだというのはよく認識しておいた方がいい。そのとき、国会による解除の定めが盛り込まれることはないだろう。
Published on: 2024/12/4
Categories: 日々