単純な場所

sophisticated girl; plain space

宙わたる教室

『宙わたる教室』の第10話、最終回を観る。凝った演出があるわけでなく、どこか懐かしいようなドラマではあるけれど、話を牽引してきた火星重力実験の発表をきっちりやって、アカデミアの本質的なあり方についてのメッセージを織り込んだストーリーはやっぱり好感がもてる。窪田正孝の終始、抑制的な演技もいい。

ニューヨークで保険会社のCEOが射殺された事件では、銃弾に刻まれたdenyの文字が保険の支払い拒否という事件の背景を知らせるものとして伝えられていたけれど、犯人の逮捕を経ても強欲な会社への批判は収まらない様子。単独犯による天誅が物事を解決することはないとして、そもそも収奪的なシステムを正すためのフィードバックが働かない社会システムそのものの欠陥が認識される必要がある。ネオリベラリズムは互助的な社会の存在を否定し、あらゆる問題を個人のものとして構造を温存する。個人的な報復が暗殺を引き起こすとして、簒奪システムは結局、生き延びるだろう。

Published on: 2024/12/11

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