単純な場所

sophisticated girl; plain space

べらぼう

本日からはじまった大河ドラマ『べらぼう』を観る。だいたい名前がふざけているしイケメン過ぎてその演技が正当に評価されていないのではないかと、横浜流星のことは勝手に心配していたのだけれど、もちろん杞憂だったということである。そして、脚本の森下佳子が田沼時代をどのように描くのかと思っていたら『大奥』そのままの冨永愛の登場もあって期待通りの演出に笑う。『光る君へ』は終盤、惰性で視聴していた感じもあったのだけれど、同じく史実をそれほど気にすることなく編めるだろうこの物語は、第1話から自由なキャラクター設定で大河ドラマらしさを外しているところがいい。

田沼意次に渡辺謙という大物をあててきた以上はただの腐敗政治家で描くつもりはないのだろうけれど、蔦屋重三郎が目を開くことになった田沼の「お前はどんな努力をしたのだ」という問いは、社会や公共を不可視化し、ひたすらに勝ち上がろうとする個人であることを要求する新自由主義的な問いであってなかなか深い。そう考えると吉原の格差をいきなり描いてきたことにも意図があって、やがて現代と重なる話になるに違いないのである。

Published on: 2025/1/5

Categories: 映画