精神の生態学へ
グレゴリー・ベイトソンの『精神の生態学へ』を読んでいる。どんな本にも読むべきタイミングというのがあって、それが良書であっても響かないことはあるのだけれど、この本は今こそ読むべき時機だったとみえて端からハイライトを引く感じになっている。この10年は帰納的なプロセスに関心が高かったのだけれど、そろそろ「ゆるい」思考に向かうことが必要になっているという自覚がある。そうしたスパイラルをイメージできる頃合いが、つまり読みどきということではなかろうか。内容のユニークさはいうまでもないが、類比的に広がりのある考え方は実用性も高いと思うのである。
アメリカで移民の強制送還が始まったというニュースと並んで、ガザ地区の難民の受け入れをトランプが周辺国に要求したという記事がある。こうした言動はもはや一貫性を問う対象にすらならず、むしろトランプ的な一貫性として理解してしまっているのが恐ろしい。異常な新世界に急速に適応しつつある。
Published on: 2025/1/26
Categories: 本