単純な場所

sophisticated girl; plain space

鏡の中の女

『シリーズ横溝正史短編集 IV 鏡の中の女』を観る。開巻、原作に忠実である旨を宣言しつつ、しかしエキセントリックな演出とキャスティングを織り込んでくるこの趣向が分子ガストロノミー的に昭和を感じさせて癖になる。やはり池松壮亮の金田一耕助はいいし、福地桃子が出てきたのでうれしくなってしまう。

コンクラーベの結果が出て新たなローマ教皇には初めてアメリカ出身の人物が選ばれる。米国が唯一の超大国であった時代であれば、この結果はなかっただろうという言説には説得力があり、現在の宗教と人間の問題の中心がアメリカであるという認識こそこの選択をもたらしたと考えれば、なるほど腑に落ちるというものである。

Published on: 2025/5/9

Categories: 映画