単純な場所

sophisticated girl; plain space

海底密室

三雲岳斗の『海底密室』を読む。道具立てはSFだが、昨今ではミステリの範疇で語られる内容である。そこかしこで森博嗣の初期作品を想起したが、実を言ってこちらの方が好みだ。で、内容もさることながら、山田正紀の解説がふるっていて、通底する和音に耳を澄ますがごとき読み方が実にうまい。

一方、朝日新聞の書評で、北上次郎がディーバーの『悪魔の涙』に懸念を表明していたのだが、自分の好みの範囲でしか小説を語ることが出来ない書評家にも、何を今更との感強く、困ったものである。

Published on: 2000/9/24

Categories: 本