親不知
再び意を決して歯科大へ。何しろ難しい、痛いのは覚悟してくれという医師がおり四、五日は腫れがひかないという医師もいて、遙か北アルプスを望む診察台の上、ほぼ腰の抜けたヘタレ状態、泣き言の間もなく下顎埋伏の親不知を抜歯。抜歯といっても実態は解体というものであり、奥歯の最奥をゴリゴリと。
そのような状態にあっては、簡単なコミュニケーションでさえ容易なことではなく、痛いですかとの問いに痛いですと答えたつもりが、大丈夫ですねと返されて、本日のラッキーアイテム、チェック柄のハンカチを空しく握りしめる。
食事は普通にして構いませんといわれたところで、ヘタレであるから食欲などないのである。食欲はなくとも腹は減るのが不思議なところで、空腹を抱えて本を読んだり。
Published on: 2002/2/6
Categories: 日々