単純な場所

sophisticated girl; plain space

今昔続百鬼 雲

その『JSA』には北朝鮮の兵士がジッポのライターに感心するという、えらく古典的なシーンがあるのだが、一方で示される米国への反発はどうやら奥深いところで共有されているフシがあって、血は水よりも濃いとか、敵の敵は味方とかいうフレーズを久しぶりに思い出す。

『今昔続百鬼 雲』を読む。先日、『トップランナー』で、執筆中はずっとテレビをつけていると京極夏彦が言っていたが、それでこの文体が維持できるのは何故なのかと、そもそも頭の構造が異なっているに違いないとふたたび思う。どうかすると薔薇十字探偵ものよりも面白く読んだので、我ながら小市民であると感じたことである。

Published on: 2002/2/11

Categories: 本