南極日誌
『南極日誌』を観る。冒頭、音楽に川井憲次の名前が挙がったところで、おっと身を乗り出す。ビッグネームになったものだねぇ。そのせいというわけでもないのだが、なんとなく押井守の観念劇を観ているような気がしたものである。嫌いじゃないのだが、たぶんこの映画も一般受けはあまりしなかったものと思われ。そもそも南極の到達不能点にはソ連隊の手になるレーニン像が建っているそうなので、そのままのドラマにはなるはずもないのだが(クライマックスにレーニンがヨォ!とやって絵になるのは『グッバイ、レーニン!』くらいであろう)、結末にかけての30分は観客をほぼ置き去りにして展開し、全体として伏線がうまく機能しているという感じでもない。とはいえ、途中、クレパスの底に眠るマンモスなど、みるべきイメージもところどころにあって、自分はといえば舞台設定とタイトルだけでも結構、気に入っているのである。
Published on: 2006/2/25
Categories: 映画