グッドナイト&グッドラック
『グッドナイト&グッドラック』を観る。映画が始まって間もなく往時に立ち返るシーンでは”THROUGOUT THE 1940’S AND 1950’S …”と歴史的背景を説明するテロップが、スターウォーズのそれみたいな語り口で流れるのだが、これもまた圧政への抵抗神話を描いているという符号なのか。あるいは赤狩りに関する知識が素養としてはなくなってしまったということなのか。
映画自体は善き志に従い端正に撮られたものであり、ほとんどケチのつけようもなく完成されたもので、エド・マローを演じるデヴィッド・ストラーザンも素晴らしく格好いい。ある種の状況の具象であるはずのマッカーシーが、敵役として明確でありすぎるがゆえ、観客の感想はマロー礼賛で止まってしまうのではないかと心配になるほどである。
Published on: 2006/12/22
Categories: 映画