フル・フロンタル
『フル・フロンタル』を観る。劇中劇は35mmの端正な映像、リアリティTV風の本編はDVの手持ちカメラで撮って繋げるという、いかにもソダーバーグ的な技巧が目につくが、ドキュメンタリ風の映像はリアリティを獲得するためにではなく、むしろファンタジックな調性として使用されている。ジュリア・ロバーツだけでなくブラッド・ピットがカメオ出演していたり、ともすれば今やソダーバーグの体臭となってしまったスノビズムが鼻につくきらいもないではないが、センスは一流の人であり、概ね狙い通りに作られているのではないだろうか。前衛がそのように了解されてしまっては褒め言葉にならないという気はするにして。
Published on: 2008/2/16
Categories: 映画