ジャンパー
などと、機内映画三昧をしているうち、英国に赴き、JL402で14時過ぎ帰国。なかなかに密度の濃い出張であった。
『ジャンパー』を観る。よくわからないけれど瞬間移動の能力を獲得してしまった主人公が、まずは金庫室を行ったり来たり、大金を獲得して優雅な生活、という状況設定が、まずは信じられないくらいにさもしい。サミュエル・L・ジャクソンでなくても、それは怒るだろうという志の低さで、話が進むにつれてもヒーローであるはずの主人公が金への執着を都度、垣間見せるので(危機的状況に金だけ掻き集めて遁走する犯罪者的描写、リュック一杯の現金を後生大事に持ち歩く)超能力者であれ金銭的価値の呪縛からは逃れられないという現代社会の病巣はよく描けている。一方、ヒロインが一貫して求めるのは私に嘘はつかないでという人間社会における原始的関係であり、これは描き方によるのだろうが、あまり頭がいいように見えない。結局のところ、阿呆な若者をサミュエル小父さんが懲らしめるという話にしたほうがよかったのではないだろうか。
Published on: 2008/5/11
Categories: 映画