さよなら。いつかわかること
『さよなら。いつかわかること』を観る。ジョン・キューザックがイラクで妻を亡くした父の役だが、いつもより体重を増やして、颯爽としたところのない、冴えない男を説得力高く演じている。ジョン・キューザックのファンでこれを観ようという人は(大方がそうだと思うけど)冒頭の登場シーンのその歩き方だけでぎょっとするのではないか。観客には状況がよく見渡せており、舞台装置も中流そのものといった垢抜けない日常のなかにあるので、物語を牽引するのは彼と子役の演技だけというシンプルな、典型的なロードムービーではあるものの、意図通りの作りであることは明白で、最後はやはり泣ける。クリント・イーストウッドが音楽を担当しているのだが、終盤のリー・リトナーのギターみたいに澄んだ曲がなかなかいい。
Published on: 2009/2/8
Categories: 映画