単純な場所

sophisticated girl; plain space

イントゥ・ザ・ワイルド

『イントゥ・ザ・ワイルド』を観る。ショーン・ペンのオーラには大仰な感じが透けて、なんとなく好きになれない役者だし、監督としても特段、関心をもったことはないのだが、ジョン・クラカワーのノンフィクション『荒野へ』を題材にした本作は、148分のロードムービーを濃い密度で構成していて、かなりいい仕事をしていると思う。主演のエミール・ハーシュは痩せさらばえていく肉体をも表現して鬼気迫る。荒野へと分け入っていく主人公、実在したその人の心理は忖度するほかないが、観ているあいだ、つくづく、人間が環境の動物であり、社会的な生物であるということを考えさせられ、そのあたりは制作の意図に沿っている気がする。

Published on: 2009/3/8

Categories: 映画