ビッグデータ・コネクト
『ビッグデータ・コネクト』を読む。この作者の小説は時々ゆうきまさみの絵柄で再生される気がするのだけれど、近未来感が『パトレイバー』を想起させるからなのだ、きっと。
『オービタル・クラウド』もそうだったけれど、あからさまに現実に材をとっているあたりは嫌いじゃなくて、Tポイントカードやらauやら、芋蔓式に個人データを共有しようとしてくる輩に辟易している身からすると多少は溜飲も下がるというものである。
一方、日本年金機構のサイバー騒動みたいにどうしたってレベルの低い話も現実にはあるわけだけれど、そのあたりの実際は作家の想像力を超えている。いや、現実の粗雑さは想定の範囲にしかないが、物語として語られる程度をもたない。
Published on: 2015/6/3
Categories: 本