単純な場所

sophisticated girl; plain space

PERFECT DAYS

『PERFECT DAYS』を観る。公共の美観を維持するという不可欠な仕事を淡々と続ける男の日々を、ヴィム・ヴェンダースが小津安二郎の映画に登場する平山という主人公の名前を借りて描く静かな映画。銭湯に通い、浅草地下街の焼きそば屋で一杯飲み、ウィリアム・フォークナーの小説を読み眠くなったら寝る時間のうちに日々は流れていく。まず、このリズムが好ましく、しかし構図そのものに単調さはないのでずっと観ていられる感じ。日常美学はこうした繋がりのなかに立ち上がってくるもので、選曲がそれをドラマにする。東京のトイレの新奇と清潔さ、これは現実のもので、驚いてもいいのかもしれない。

Published on: 2025/1/23

Categories: 映画