単純な場所

sophisticated girl; plain space

台北プライベートアイ

紀蔚然『台北プライベートアイ』を読んでいる。翻訳は2021年の刊行で、すでに続編も出ているらしいのだけれど、まずは導入を楽しんでいてその語り口の流暢さに感心している。タイトル通り、私立探偵になろうという男の鬱屈もあるひとり語りをぐいぐい読ませる力があって、物語の先行きについての情報は持ち合わせていないけれどただ楽しい。こういう小説は好きである。

自衛隊に統合作戦司令部が組織されたという話である。現時点でそれが意味するところはよく理解できていないのだけれど、オーヴァーロード作戦の昔から統合作戦といえば攻勢のイメージがあって、これまで忌避されてきたということなのだろうか。そのあたりが議論にならないほど、軍隊としての自衛隊の地位は固まっているということかもしれない。そういえば専守防衛という言葉も久しく聞いていないのである。

Published on: 2025/3/24

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