ピストルオペラ
ようやく『ピストルオペラ』を観る。隅から隅まで、まさに何処で切っても鈴木清順という映像作家の所産であり、こうした世界にあっては役者も脚本も素材に過ぎないのであって、それがスターシステムと相容れないのも当然といえる。もう30分長ければ配給にも乗らなかったはずの映画を、21世紀につくってしまったのは驚きだが、一番驚いているのは監督以外の制作サイドだという気がしないでもない。そうした感慨は今も昔も変わらないものでありひとまずは措くとして、花田五郎が宍戸錠ではないという一点が、ただ残念な映画である。
Published on: 2002/6/30
Categories: 映画