アポカリプト
熱がひかない。寝込んでいる。
『アポカリプト』を観る。訥々としたマヤ語の映画というのもあまり例がないと思うが、しかし物語は立派なエンターテイメントの骨格をもっており、その実相はユカタン半島のジャングルを舞台にしたアクション映画。冒頭、「文明は内部から崩壊する」という大仰な文句が打たれているところをみると、スペイン人に征服されることになるこの文明はその残虐性と蒙昧さから結局のところ自滅したのだという立場なのであるまいか。だとすればメル・ギブソンらしくキリスト教文明礼賛のスタンスであって、さすがにそうあからさまな主張ではないだけに居心地が悪い。帝国の狂騒と退廃は見応えのある画面ではあるものの、然らば邪悪な西洋人の色眼鏡で脚色された映像と思えて身構えてしまう。
Published on: 2008/2/10
Categories: 映画